中学校新学習指導要領の全面実施

Top>Topics>専門家に聞く>中学校新学習指導要領の全面実施

Topics

専門家にきく
中学校新学習指導要領の全面実施

平成24年4月1日から中学校新学習指導要領が全面実施されました。今回は、中学校外国語科改訂の趣旨等について文部科学省の解説資料を紹介するとともに、新学習指導要領を踏まえた指導のあり方について、文部科学省国際教育課外国語教育推進室平木裕教科調査官に伺いました。

文部科学省による解説

1.外国語科改訂の趣旨

今回の外国語科の改訂に当たっては、次の4つの基本方針に基づいて改善が図られました。

< 4つの基本方針>

○ 「聞くこと」「読むこと」の受信から「話すこと」「書くこと」の発信へとつながる4技能の総合的な育成
○ 4技能を総合的に育成するための活動に資する教材の題材や内容の改善
○ 4技能を統合的に活用できるコミュニケーション能力の育成、文法指導の言語活動との一体化、
  語数の充実
○ 小学校外国語活動を踏まえた指導内容の改善、 高等学校やその後の生涯にわたる外国語学習の基礎の育成

 このような方針の下に、中学校においては、身近な事柄について一層幅広いコミュニケーションを図ることができるようにするため、授業時数の増加(各学年とも年間105時間から140時間に増加)を実施するとともに、指導する語数を従来の「900語程度まで」から「1200語程度」へと増加しています。この1200語については、「運用度の高いものを用い、活用することを通して定着を図るようにすること」が重要です。一方、指導すべき語数を除き、文法事項等の指導内容はほとんど増加させていません。これは、増加する授業時数においては、言語活動の充実を通じて、言語材料の定着を図るとともにコミュニケーション能力の基礎を育成することを意図したものです。

 また、上記の基本方針に基づき、次の3つの柱を外国語科の目標として設定しています。

<外国語科の目標>

・ 外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深める。
・ 外国語を通じて、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図る。
・ 聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う。

2.小学校における外国語活動を踏まえた指導

中学校学習指導要領においては、「小学校における外国語活動との関連に留意して指導計画を適切に作成するものとする」としています。これは、今回の改訂で小学校に外国語活動が導入されたことにより、新たに示したものです。
中学校の指導計画の作成に当たっては、
小学校における外国語活動を通じて培われた一定の素地を踏まえながら、中学校における外国語教育へ円滑に接続できるよう配慮する必要があります。
そのため、中学校では、地域の小学校における外国語活動の指導において、どの程度の素地が養われているかを十分把握するとともに、扱われている単語や表現などについてもきめ細かく把握した上で特に中学校第1学年の指導計画の作成の参考にすることが大切です。
 また、小学校においても、中学校外国語科において「コミュニケーション能力の基礎を養う」ためにどのような指導が行われているかについて十分研究し、小学校外国語活動の指導計画を作成することが必要になります。具体的には、例えば、発音と綴りの関係について、小学校の外国語活動では、音声を中心に慣れ親しみ、それを受けて中学校では文字を通した学習が始まることから、小学校でplay/pleIやthank/θæŋk/などの音声に触れた後、中学校では文字でどのように表すかを学ぶ際に、その両者を関連付けて指導することなどが考えられます。

3.全面実施にあたり~中学校の外国語教育が果たすべき役割~

中学校には、先に述べた基本方針の4点目にもあるとおり、小学校の外国語活動における成果をしっかり引き継ぐとともに、高等学校やその後の生涯にわたる外国語学習の基礎を身に付けさせてから生徒を送り出さねばなりません。そうした観点から、中学校には、以下のような果たすべき大きな役割があります。

<中学校の果たすべき役割>

・ 近隣の小学校での外国語活動の授業内容や児童の状況の把握、指導者(主として学級担任)への支援
・ 小学校から中学校へのソフトランディングを可能にする「接続」のための綿密な指導計画の作成
・ 小学校の児童が抱くであろう中学校への期待感にこたえ、外国語活動の有用性を感じられるような授業の工夫
・ 近隣の高等学校での授業内容や生徒の状況の把握、英語による言語活動を中心とした授業の工夫に関する
  情報交換

中学校教員は具体的に何をどのように取り組んでいけば良いのか、平木教科調査官に伺いました。

このページの先頭へ
ELEC