世界で活躍する人にインタビュー 大好きなゲームが世界をつなげた

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世界とつながる人にインタビュー
大好きなゲームが世界をつなげた
インタビュー:加賀直柔さん(かが・なおなり)
ゲームの企画書を作る加賀さん

加賀直柔さんは、子どもの頃からゲームが大好きで、大学生のときにゲームの実況中継をするゲームアナウンサーやアメリカのゲームイベントの取材記者を経験。その後、海外ゲームの買い付け、ゲームに登場するキャラクターや台詞が日本の人たちに受け入れられるように作り直していくローカライズプロデューサーとしても活躍するなど、ゲーム業界で縦横無尽に飛び回っています。現在は、大人気シリーズ「マリオパーティ9」のゲームデザイナーをしている加賀さんにインタビューしました。


子どもの頃から英語辞書を片手にゲームに夢中

とにかく子どもの頃からゲームが大好きで、中学生のときに特に気に入っていたのが、アメリカのRPG(ロールプレイングゲーム)でした。ゲームにはまるうちキャラクターが英語で何を話しているのだろうと急に気になり出して、それで英語辞書を片手にゲームをするようになったんです。「こんなことを言っていたんだ」と理解できると、ますますゲームがおもしろくなってのめりこんでいきました。
ストーリーがわかると他のゲームにも興味がわいて「アメリカの新しいゲームを誰よりも早くに見つけて、やりたい!」と思うようになりました。そのためには英語がわからないとインターネット上で探せません。だから英語辞書片手でしたが「(英語を)勉強した」という感覚ではなかったかもしれない。ゲームをするには英語が必要だった、それだけゲームに夢中でしたね。

ゲームの国、アメリカへ留学

こんなにおもしろいゲームを創るアメリカに行きたいと思って、英語を学びたいから留学したいともっともらしいことを親に言いました。本当はゲームがしたかったのですが(笑)。高校卒業後、アメリカに行って、学校が始まると、授業中によく友達同士で話し合いなさいと言われました。でも、僕は英語が話せないのでみんなの輪に入っていけません。英語が話せない人間とわざわざ話をするのがめんどくさいと思われてしまうのです。クラスの誰からも話しかけてもらえないのは、とても寂しかった。
それで、みんなと話すためにはどうしたらいいだろう、共通の話題はなんだろうって考えて、大好きなゲームのことなら大丈夫だろうと。それで、ゲームのことを話したり、人気アニメの「NARUTO」について話してみるとアメリカ人の友達がどんどんできるようになったのです。
いまアニメ好きな外国人は多く、日本人だとわかると向こうから積極的に話しかけてくれます。最初は「I’m a Japanese. I like….」だけでもいいので、話してみてください。その一言が世界とつながる大事な一歩だったりします。

アメリカのゲームショーでチャンスをつかむ

アメリカに行ったことがその後の経験に生かせたことがたくさんありました。アメリカでは、ゲームの試合を実況中継するチームがいて対戦をおもしろく伝えます。当時、日本ではまだゲーム専門のアナウンサーがいませんでした。それなら、僕がやってみようと思ってゲームを実況し、インターネットで発信したのです。ゲーム好きの人たちが見てくれるようになり、少しずつ話題になりました。そして動画を見てくれたアメリカのチームに呼ばれて、ゲームショーにゲスト出演することができたのです。
それからはゲームのことがよくわかっていて英語が話せるという僕の強みが生かせるようになりました。アメリカのElectronic Entertainment Expo(略称「E3」)という大きなゲームイベントで通訳をお願いされたり、いろんなゲーム開発者に取材をして記事するライターをしたりしました。

E3expo official site: http://www.e3expo.com/

ゲームの実況中継映像

アナウンスルームでの様子

E3の取材終了後、記者仲間と

E3の会場内で面白いものを探す

仕事では正しい英語が必要
帰国後、再度訪れたマンハッタンにて

ローカライズプロデューサーという仕事で海外ゲームの買い付けをしたときに正しい英語を話す重要性に気がつかされました。学生時代の英語と仕事で使う英語はまったく違います。学生時代は、とにかく通じればいい、という英語でした。単語の羅列でも問題はなかったし、友達同士なのでそもそも信頼関係がありますので、わからなくても別にいいや、というノリでした。
でも、仕事で自社のゲームのプレゼンテーションでは、そういうわけにはいきません。こちらはネイティブではないわけですから、お互いに誤解のないように、とにかく、「わかりましたよね? 僕の言った意味通じてますよね?」と、しつこいくらい確認しながら、事細かに説明します。英語がわからないために勝手な解釈をしたり、相手に英語が通じたと思っていても伝えた単語が間違って意味が変わっていると大きな損害を引き起こすこともあるわけです。学生時代には気にも留めなかったけれど、相手にわかるように文法的にもしっかりした正しい英語、きれいな英語を話すように心がけています。仕事では、自分がちゃんとした人間だと相手に信頼してもらうためにもマナーとして、スラング(俗語)は使わないように気をつけています。

マリオパーティ9 ©任天堂株式会社
「マリオパーティ9」ゲームデザイナーになって

いま僕は北海道で仕事をしています。ここでは、「マリオパーティ9」のゲームデザイナーをしていますが、「マリオ」は世界中にファンがいますので、どの国の人もおもしろいと思ってもらわなければなりません。そこで、北海道からいろんな国に行って、今度こんなゲームが出ますよと英語でゲームの販売会社の人たちの前でプレゼンテーションをします。
そのときにたくさんの人にゲームを楽しんでもらうために、悪いところは直しますから言ってくださいとお願いするのですが、どんな国でも初対面の人たちは、なかなか本音を言ってくれません。まして、悪いところを言って下さいとおねがいしているのですから尚更です。実際にゲームを売っている人たちと仲良くなるようどんどん話しかけて、どんな点を直したらいいのかなど本音を聞き出しにいくのです。ゲームをおもしろくするには、この人たちの意見がとても重要だからです。
こうしてアメリカやヨーロッパなど文化の違う人たちの意見を聞きながら「マリオパーティ」を作っていきます。

「英語」は世界とつながるためのツール

僕はゲームを通じて世界とつながっていると実感しています。大事なのは「英語を勉強する」ことではなく、「何かやりたいこと」を見つけ、あきらめずに「絶対、それをやるんだ」という目標を持ち続けることです。そのためには周りの人に合わせることに慣れてはダメ。周りの人からどう思われたって、自分が好きだと思うことをとことんやってみてほしい。そうしたことを経験して力をつけていかないと、ライバルに蹴落とされてしまうからです。
さきほどゲームを通じて世界中の人たちとつがっていると言いました。僕は「英語」は世界につながるための「ツール」だと思っています。ツールは、使ってこそ役に立つものです。英語をどんどん使い、世界を広げてください。

アメリカ、ニューヨーク州グランドセントラル駅の前で

(文責:編集部 / 取材:香原ちさと)

この awesome [オーサム] という単語はものすごく便利な単語です。この単語1つで会話は確実に盛り上がります。知らない人とでも仲良くなれる魔法の単語です。The graphic is awesome! とか The sound is awesome! など、「何が」の部分をかえればいくらでも使えます。意味的には「かっこいい」よりも、いまふうの「ヤバイ」に近いですね。

Googleで検索すれば無料版があります。レゴブロックのゲーム版のような感じです。つるはしを持って、未開の地や洞窟などを探索したり、地下要塞や普通の家をブロックで作り上げる、創造力を豊かにするゲームです。説明やナレーションはすべて英語で行われます。

① とにかく自分の興味のある分野を英語で掘り下げていく
② 使えるチャンスは逃さない
③ 自分の目的のために英語をツールとして利用する

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