世界で活躍する人にインタビュー 6か国語を駆使する国際派落語家

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世界とつながる人にインタビュー
6か国語を駆使する国際派落語家、三遊亭竜楽師匠
インタビュー:三遊亭竜楽さん(さんゆうてい りゅうらく)

公式Webサイト「三遊亭竜楽」: http://www.ryu-raku.com/index.php

オーストラリア大使館で英語による江戸落語を
披露する竜楽師匠

 2012年1月下旬、東京港区三田のオーストラリア大使館で開かれた日・豪・ニュージーランド協会の新年会。両国の在日大使による挨拶が終わると、会場のホール正面に寄席の高座が設置され、羽織袴姿の三遊亭竜楽師匠が登場。この夜の目玉イベントである英語による古典落語が披露された。出し物は、江戸落語の「味噌豆」(英語のタイトルはBeans)。手振り身振りを交えながらの竜楽師匠の語り口に、会場の大使や大使館スタッフも大爆笑。

竜楽師匠は、2011年6月にドイツ各地でドイツ語による公演を実施。英語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語に続き6ヶ国語での落語公演を達成した。同年11月には、18日間にわたりイタリアやフランスの4都市を回り、欧州での現地語公演実績は通算5か国、58回となった。

落語の話芸は世界で通用する

 竜楽師匠が海外での現地語による公演を始めたのは2008年。イタリア・フィレンツェでの日本フェスティバルが最初で、その成功がいまの海外活動の原点となった。だだ、その下地は10数年前からあったという。東大で学んでいた知り合いのブルガリア人女性に留学生の前で落語を披露して欲しいと頼まれた。日本語と英語の両方で落語を実演したところ、日本語、英語のレベルもまちまちだった留学生が大笑いしてくれたという。「落語は世界で通用する話芸」と確信したという。

中学、高校時代から落語が大好きで、カセットテープで聞いていたという竜楽師匠。英語は好きだったが、得意科目ではなかった。中央大学法学部に進み、一時は法律家を目指すが挫折。「大学卒業後もやりたいことが見つからなかった」という。落語家になろうと三遊亭円楽に入門したのは27歳の時だった。

外国語は丸暗記が基本

 「いまでも人前で話すことは苦手」という竜楽師匠。いざ海外公演の日程が決まると、1~2か月前から、必死にレッスンに取り組むそうだ。外国語で行う演目は、それぞれの国のネイティブから直々に特訓してもらっている。「赤ん坊と同じで、丸暗記が基本。まず音から入る。言われた言葉をそのまま喋ること。意味づけは後からついてきます」と竜楽師匠。

日本文化の対外発信が重要と
力説する竜楽師匠

もちろん、言葉の壁は大きいし、ユーモアのセンスも国によって異なる。「でも、笑いには緊張を緩和するという効用がある。特にヨーロッパは多民族間のせめぎ合い、緊張感から笑いが生活必需品となっている。一番笑わない国民は日本人かもしれませんね」と竜楽師匠。「一番大切なことは、伝えるべき内容があるかどうかで、伝統を重んじ、日本文化に興味のあるヨーロッパの人びとには落語の心は伝わります」

「日本文化の輸出、対外発信があってこその観光立国」と主張する竜楽師匠。「真の国際人とは日本文化を知悉「ちしつ」している人であり、ただ単に英語を話せる人のことを指すわけではありません」とも語る竜楽師匠。今年もドイツ、フランス、イタリアでの公演が予定されており、その準備に余念がない。

若い人たちに伝えたいメッセージ

「姿、形、暮らしが異なる人たちと友人になり、つき合うことほど楽しいことはありません。そうした触れ合いの醍醐味、楽しさを知ってもらいたい。外国語を習得することには苦しさも伴いますが、それにより得られることは大きいのです。まずは基礎力を身につけ、日本のことを学び、世界に訴えたいことを持つこと。そして臆せずに海外に出かけて行き、たくさんのことを吸収して欲しいと思います」

「味噌豆」のさわり

台所で味噌豆のつまみ食いをしていた小僧の定吉。旦那に叱られて使いに出される。ところが、旦那もうまそうな味噌豆を見てつまみ食いを始めてしまう。台所にいると定吉に見つかると思った旦那があれこれ考えたあげく隠れた場所は…。

(取材/文責:編集部)

三遊亭竜楽師匠 英語での「味噌豆」 動画

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