世界で活躍する人にインタビュー 英語は「新しい世界のドアを開けるためのツール」

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世界とつながる人にインタビュー
英語は「新しい世界のドアを開けるためのツール」
インタビュー:高野孝子 さん(たかの たかこ)

高野孝子 地球日記 : http://www.ecoclub.org/showindex.php?lang=ja&genre=3
特定非営利活動法人ECOPLUS :  http://www.ecoplus.jp/top.php?lang=ja

欠かせないのは人とのコミュニケーション

 「野外・環境教育家として、私は、子どもたちの自立を促すためのさまざまな自然体験プログラムを企画し、実践しています。もちろんそれ以外にも自分で海外へ行き、環境調査などを行っています」と言う高野さん。大自然の中で暮らすと、人と人とが助け合うことの大切さがよくわかるのだという。
 その基本となるのがコミュニケーションだ。きょうのスケジュールをどうするか、きょうは何を食べるかといった小さなことでも話し合って決めていかなければならない。スタッフや現地の人に必ずしも英語が通じるとは限らない。そういう場合は 「身振り手振りでもいい、写真や本などの道具を使ってもいい、とにかく『自分の意思を表明すること』が大切だと思います。やりたいことがあるなら、何とか努力して『これがやりたい!!』と相手に伝えなければ」と高野さんは言う。

どうやったら通じるか考えるのが大切

 高野さんが20年以上続けている活動に「ヤップ島プログラム」というものがある。
高校生ぐらいの年齢の日本人10人ほどがミクロネシアのヤップ島に行き、現地の人と一緒に自給自足に近い暮らしを体験するというものだ。食事のしたくをするのも、火をおこすところから自分たちでやらなければならない。
 ヤップ島の公用語はヤップ語である。しかし、現地の人との会話は英語が主体になるので、初めのうちは「○○って英語で何ていうんだっけ?」と聞いてくる。でも、高野さんはそこですぐに教えることはしない。「どうやったら通じるか、考えてごらん」と自分で考えるというステップを踏ませるのだ。考えたあげく、時間を知りたい時には相手の時計を強引に見たり、「time」という単語だけでがんばったり、逆にあきらめてしまったり、と反応はさまざまだ。しかし、だいたい3~4日で聞きに来なくなる。恥ずかしさをこらえて最初の一歩さえ踏み出せば、ことばは後からついてくるのだ。
 「自分で物事に向かっていけば、最初は悪戦苦闘しても、喜びも大きくなると思います。英語は『お勉強』ではなくて、『新しい世界のドアを開けるためのツールのひとつ』なんです」と高野さん。

 ココナツの葉を編んで、マットを作っています。ヤップの村の人たちが日本から来た若者に教えてくれます。到着した日に編むのですが、それはこの夜からこれが寝床になるからです。葉っぱのマットはひんやりと心地よいのです。慣れなくて、まだ戸惑うばかりの私たちに、ヤップの人たちは温かく、根気づよく、たくさんの知恵を授けてくれます。

何か言いたいことがあったら、まずは“音”を出す

 1995年、北極点で撮影したもの。アメリカ、ロシア、英国の仲間4人とに、犬ぞりで旅をしました。手にもっている旗は、この教育プロジェクトに通信で参加していた日本の子どもたちが作ったものです。この時気温はマイナス25度。身体がだいぶ慣れていたので、風がなければまあまあ快適です。

 「オーストラリアでの科学調査活動でもそうでしたが、話し合いの場面で、チンプンカンプンだからと黙っていると、どんどん話が進んでしまうんです。それは私を無視しているとか、意地悪をしているということではなくて、『意見を言わない=納得している』と判断されるからなんですね。だから何か言いたいことがあったら、まずは『あ~』とか、『う~」とか音を出すようにしたんです」と高野さんはふり返る。
 音を出すと、彼女は何か言いたいことがあるらしい、と少し話が止まる。そこで何か言えればいいのだが、何も言えないと、また話は進んでいってしまう。だから、まずは「音」で意思表示をし、それから片言でも単語でもいいから自分の言いたいことを表現する。そうすると、相手が「あなたの言いたいことはこういうこと?」と聞いてくれる。そこで「そうそう!!」ということになる。そうして、相手の表現を覚えて、次回からはそれを使って表現すると、どんどん言いたいことが言えるようになっていくのだ。

 「私の場合、学校で習ったのもアメリカ英語で、留学先もアメリカでしたから、アメリカ英語だけが英語だと考えていました。でも、イギリス英語もあれば、オーストラリア英語もある。多種多様な英語があるんです。みんな違う。
でも、それでいいんです。ジャパニーズ・イングリッシュでも問題ない。
日本人はどうしても、文法的にも完璧な英語で話さなくちゃ、と思う傾向があるようで、まず頭の中で文章を組み立てて、きちんとした英語にしてから話そうとしますが、まずは、通じればいい。大切なのは『中身がある』こと。そして、それを伝えることです」

(文責:編集部 / 取材:香原ちさと)

★ コミュニケーションに欠かせない3つのフレーズ
  • ① Thank you. (ありがとう)
  • ② I’m sorry. (ごめんなさい)
  • ③ It’s good! (おいしい!)

 この3つはコミュニケーションの基本だと思います。一緒に食事をしたら「おいしい」も大切なことばですね。また、フレーズではありませんが、意外に役に立つのが、「これ、それ、あれ」や「あした」「きょう」といった単語です。特に「あした」「きょう」といった抽象的な概念はジェスチャーなどでは伝えられないので、知っているととても便利です。

★ 英語がうまくなるには、
  • ① 勉強ではなく、コミュニケーションのツールなんだと思う
  • ② 繰り返し口に出して発音をまねる
  • ③ 自分が楽しんで続けられることをさがす
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