改革の必要性に広範なコンセンサス

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改革の必要性に広範なコンセンサス
吉田 研作 (よしだ けんさく) 上智大学言語教育研究センター長

「英語教育がいまのままではいけない」とみんなが考えるようになってきた

座長として「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」を2011年にまとめるなど、
長く英語教育行政にかかわってこられた立場から現時点での日本の英語教育の姿をどう評価されていますか。
 この10年で、英語教育の現場で意識は変わってきました。 「いまのままではいけない」とみんなが考えるようになってきたのではないでしょうか。
 小学校で英語を学び始めることについて、よかったというデータもでています。中学の先生方からは、
子どもの英語への意欲が高まったり、発音や聞き取りがよくなったという話もよく聞きます。
 英語教育のやり方を変えるのに、いまのやり方がいいかどうか、それはまだわかりませんが、一連の改革で先生方の意識改革にメスを入れることはできたのではないでしょうか。そして「日本の英語教育、なんとかしなくちゃ」という思いはどんな立場の方でも共有できていると思います。

教科になった英語を誰が担うのかが重要

「英語教育改革実施計画」では、2020年度までの7年間に実施すべき改革案が多数列挙されていますが、その実現を危ぶむ声が聞かれています。幾つかの改革案について、見通しや課題をお話ください。
 小学校の英語を誰が担うのかが重要です。小学校の英語を教える教員が7万人は必要といわれています。中学校の教員、TESOLを持つALT、小学校教員を含むJ-Shineの資格をもつ人など活躍できる人材もいますが、まだまだ足りないでしょう。研修も充実するようですが、研修を受けた人材をどう活用するかも大事ですね。
達成目標も引き上げられましたが。
 四技能を鍛えて積み上げていけば、それほど高い目標にはならないかもしれません。
公立校高校卒業生の60%が2級レベルになるよう小学校からの英語教育の積み上げをするということです。
2級はCEFRではB1に相当しますので、高校卒業生のほとんどがこのレベルになれば、日本は英語ができる人が大勢いるということになります。
 ただ、現在でも公立中学卒業で英検3級レベルが30%、公立高校卒業で英検準2級レベルが30%ですので、現状の達成率をまず上げるという考え方もできると思います。
さまざまな施策にもかかわらず、英語教育の現場の変化が遅いのはなぜでしょう。
 大学入試の方式が変わらないからです。入試が四技能の能力を問う問題ではないからです。
センター入試の英語もreadingが200点、listeningが50点の配点では、readingに重点をおいた英語学習になります。
readingの基礎は文法と訳読だと思っている先生が大多数ですから、英語の学習方法が変わらないのです。ただ、大学入試のやりかたも変わりつつあります。
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